スズメバチは高い攻撃性と、強い毒性の針を持っていて、蜂の種類の中でも最も危険といわれる存在です。
スズメバチの生息地や営巣場所について知識を深めることで、安全対策を講じることができます。
この記事では、スズメバチの生息地や営巣場所について、詳しく解説していきます。
スズメバチの生息地は?
日本には、「スズメバチ属」「クロスズメバチ属」「ホオナガスズメバチ属」という3属の中に17種類のスズメバチが生息しています。
種類によって生息地が限られる場合もありますが、スズメバチは日本全国に広く分布しており、主に森林や山地、農村地域に多く生息しています。
都市部でも緑が多い公園や庭などに現れることがあります。さらに、都会環境への順応性が高い種類もいます。
営巣場所は気候や環境に応じて異なりますが、下記の通りさまざまです。
- ・木の洞、枯れ木
- ・屋根裏、軒下
- ・土の中、土手
- ・ベランダ、換気扇
【種類別】スズメバチの生息地・営巣場所
ここでは、スズメバチの種類別に生息地と営巣場所を詳しく解説します。
オオスズメバチ
オオスズメバチは、スズメバチの中でも一番体が大きく、攻撃性が高く危険度の高い種類になります。
生息地は、北海道、本州、四国、九州、沖縄本島と、日本全国にいて、体長は女王蜂が40~45mm、働き蜂が30~40mmもの大きさがあります。
営巣場所は土の中や木の根本の穴など、地面近くの閉鎖空間で、人間が見つけづらいですが、地中に営巣した場合、土を外に運び出して巣穴を広げるので、巣のある場所に土の塊が体積していることがあります。
キイロスズメバチ
キイロスズメバチは、日本に生息するスズメバチの中で最も小型な種類です。強い攻撃性としつこさを持っていて、巣の大きさは最大規模となり、700~1,000匹ものキイロスズメバチが潜んでいることも。
生息地は、北海道、本州、四国、九州、沖縄本島と、オオスズメバチ同様、日本全国にいて、体長は女王蜂が25~28mm、働き蜂が17~24mmほどです。
営巣場所は、軒下や木の枝といった開放的な場所から、天井裏、床下、木の洞といった閉鎖的な場所まで多岐にわたります。さらに、都会環境への順応性が高いことから、橋の下や排水溝など人が多い場所にも巣を作ります。
コガタスズメバチ
オオスズメバチに似た外見を持っていて、体が小さいことから、コガタスズメバチと呼ばれていますが、体長は女王蜂が25~30mm、働き蜂が22~28mmとスズメバチとしては中型種となります。
生息地は、北海道、本州、四国、九州から沖縄本島で、営巣場所は、民家の軒下や庭の木の枝などの開放的な場所が多いです。巣がフラスコを逆さにしたような形になる特徴があります。
ヒメスズメバチ
オオスズメバチに次ぐ大きさで、女王蜂と働き蜂の大きさが同じという特徴のヒメスズメバチは、威嚇性が強く、大あごをカチカチと鳴らしてまとわりつくような警戒行動をとります。
生息地は、本州、四国、九州で、体長は女王蜂、働き蜂ともに、25~36mmほどです。
閉鎖的な環境を好むため、営巣場所は、床下、屋根裏、壁の隙間や木の洞などが多いです。巣の規模が最も小さく、他の蜂に比べて1つの巣の中の蜂の数も少なく、威嚇性に対して攻撃性は低い種類です。
モンスズメバチ
オオスズメバチ、キイロスズメバチに次ぐ危険性の高い種類として知られているのがモンスズメバチになります。モンスズメバチは、多くのスズメバチが暗闇での視力を持たず、夜間は飛び回らないのに対して、日没後も活動が可能なため、夜間でも注意が必要です。
生息地は北海道、本州、四国、九州で、体長は、女王蜂が28~30mm、働き蜂が20~28mmほどです。
営巣場所を引越しするのが特徴で、巣が小さいうちは地表に近い閉鎖空間に作りますが、働き蜂が増えて、巣が狭くなると天井裏や壁の隙間など広いスペースに移動します。
チャイロスズメバチ
チャイロスズメバチの生息地は、北海道から本州の中部、特に日本海側といわれていますが、個体数が少なく、都会ではあまり見かけることがない種類です。
体長は女王蜂が30mm、働き蜂が17~24mmほどで、攻撃性が強く、ピーク時の数が700匹にもなるといわれているため、注意が必要な種類です。
自分で巣を作るのではなく、モンスズメバチやキイロスズメバチの巣に侵入し、その女王を殺して巣を乗っ取ります。そして、自分が産卵したチャイロスズメバチの世話を乗っ取った巣の働き蜂にさせるという社会寄生性の蜂です。
スズメバチの生息地について
スズメバチと一口に言っても、3属17種類も存在しており、その生息地はほぼ日本全国に広がっています。
更に、自然環境の中だけでなく、都会環境に順応しているキイロスズメバチなどもおり、スズメバチの危険性はどこにでも潜んでいるといえるでしょう。
特にオオスズメバチ、キイロスズメバチ、モンスズメバチは攻撃性が高く、毒性も強いため、注意が必要です。
また、ヒメスズメバチは攻撃性は比較的低いですが、刺激すると刺されることがありますので決して油断はできません。
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