動画投稿サイトやSNSなどで「ガソリンを使ったスズメバチの駆除方法」が注目されています。
そちらをご覧になったことがある方の中には、「なぜガソリンで駆除できるのか?」「危険ではないのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に、安全性や効果の観点ではどうなのでしょうか?
今回の記事では、ガソリンを使ったスズメバチ駆除の方法や、危険性、自力で駆除するリスクなどを解説します。
ガソリンを使ったスズメバチ駆除とは?
インターネット上で、最近話題になっているのが「ガソリンを入れた容器でスズメバチの巣を密閉して駆除する」という方法です。巣の中にいるスズメバチが次々と出てきて、ガソリンに落ちていく様子が見られます。
スズメバチは非常に嗅覚が鋭く、においを頼りにエサを探す習性があります。そんなスズメバチが嫌うにおいとして、ハッカ油や木酢液などの刺激が強いものが挙げられ、忌避剤として使われることもあります。ガソリンのにおいも同様に、スズメバチが本能的に嫌うにおいのひとつで、ガソリンが入った入れ物で巣を密閉することによって、スズメバチがパニックを起こし、巣から飛び出してくるのです。
さらに、ガソリンは常温でも揮発性が高く、密閉空間ではガソリン蒸気が充満しやすくなります。そのガソリンの蒸気がスズメバチの胸やお腹にある気門(呼吸孔)を塞ぎ、呼吸困難を引き起こすため、最終的に死に至るのです。
ただし、この方法は巣全体をガソリンを入れた容器で密閉できることが前提です。軒下などであれば密閉しやすいですが、木の枝などにできた巣では、物理的に困難なことも多いです。。
ガソリンを使ったスズメバチ駆除が危険な理由
ガソリンを使ったスズメバチの駆除は、巣ごとガソリンが入った容器で密閉するため、刺されるリスクがないように思えるかもしれませんが、それ以上に深刻な問題が潜んでいます。
ここでは、危険な理由やリスクなどを解説します。
火災・爆発の危険性
先ほども説明した通り、ガソリンは揮発性の高い液体で常温でも蒸発し、気温が高くなるとその蒸発速度はさらに速くなります。30℃を超える環境下では、ガソリンの蒸気は瞬時に気化し、周囲に充満します。その蒸気は目には見えず、空気よりも重たいため、地面付近に滞留しやすいという特徴があります。ガソリンの蒸気は、火花だけでなく、太陽光で熱をもった金属や、摩擦・静電気などのちょっとした火種があれば、引火して火災や爆発につながる危険性があります。
また、万が一、出火してしまった場合に、ガソリンによる出火は水で消すことができません。ガソリンは水より軽く、水に浮く性質があるので、水をかけても火は消えず、かえって燃え広がってしまう可能性もあります。
法律上の問題
また、法律上の問題がある点も見逃せません。ガソリンは消防法で「第4種危険物(第1石油類)」に分類されており、極めて引火性が高い物質として、貯蔵、運搬、使用に関して厳しく規制されています。
購入する場合、試験確認済証のシールが貼られた携行缶(金属製)が必要で、直射日光や高温を避け、通気性の良い場所での保管が義務付けられており、貯蔵できる量も決められています。
そうした法令に従わずにガソリンを用いてスズメバチの駆除を行うと、火災を引き起こす恐れがあるだけでなく、法的責任を問われる可能性があります。
また、ガソリンはごみとして廃棄することができません。携行缶に入っているガソリンであれば、ガソリンスタンドで引き取ってもらえる場合もありますが、異物が入っていたり劣化が激しい場合には、断られる可能性が高いです。その場合は、特別管理産業廃棄物の廃油の許可を持つ産業廃棄物処理業者への相談が必要となります。
このように、ガソリンを使ったスズメバチの駆除は、ガソリンの取り扱いの難しさや法律上の問題、さらに駆除後の廃棄の難易度の高さを考えると、やめたほうが良いでしょう。
スズメバチ駆除を自力でやるリスク
この記事をご覧になっている方で、自力でのスズメバチの駆除を検討されている方もいるかもしれませんが、スズメバチ駆除を自力でやるのは危険性が高く、リスクが伴います。
スズメバチは警戒心が強く、巣の出入り口に見張り役を立てて周囲を観察しています。そのため、巣に近づいたり駆除しようとすると、防衛本能から攻撃をしかけてきます。さらに、攻撃の際には「警報フェロモン」と呼ばれる物質を出して仲間を呼ぶので、複数のスズメバチに襲われてしまう危険性があります。
スズメバチの針は毒性が強いため、1匹に刺されるだけでもアナフィラキシーショックなどの健康被害を引き起こす可能性があり、複数のスズメバチに刺されてしまうと重篤な状態に陥る危険性も高まります。
また、全てのスズメバチを駆除できていないと、再度巣を作られてしまう可能性もあるので、安全かつ完全に駆除するためには、蜂駆除の専門業者に依頼するのが安全かつ確実な方法です。
ガソリンを使ったスズメバチの駆除は危険
ガソリンを使ったスズメバチの駆除は、ガソリンの引火性の高さや、法律上の規制もあることから、実施するべきではありません。
攻撃性の高さや、針の毒性の強さから自力でのスズメバチ駆除は非常にリスクが高いので、蜂駆除の専門業者に依頼するのがおすすめです。
なお、スズメバチの被害でお困りの場合は、「ハチ駆除クイック」へご相談ください。
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